2011年のマーブルマッドネス
あとがき
「お……おお……お……」
台の前で恍惚とした表情で声を漏らす男。
「この立体感の表現、耳を突き抜ける美しい高音と低音のカクテル、よく転がるトラックボール。これはまさしく」
確信を持ち、告げる。
「『マーブルマッドネス』、1984年、ナムコ製」
「いや、違うな!」
対峙する男が反論。
「なに?どう見てもこれは『マーブルマッドネス』だろう。この素晴らしい操作感……!まさか!」
「それだよ、先生」
先生と呼ばれた男の血の気が引いていく。対する男は口元に笑みを浮かべている。
「ナムコ製ならもっと手の皮をトラックボールに挟みやすいんだ。こいつはそう」
少し間を置き、はっきりと、告げる。
「『マーブルマッドネス』、1984年、アタリ製」
適当なこと言ってすみません。
作品名:2011年のマーブルマッドネス 作家名:みれにん