あたらしい商売
「ええ本当に。これは口外なさっては困るのですが、実は今月、まんまと成功した方がいらっしゃいまして。大損害でした。――はい、どうぞ」
アロマーニャ氏が頭を下げながら両手でクレジットカードを返した。
「さて店長、そろそろ出ていって貰えませんかな? 仕事の邪魔になる。それと今月は四倍の売り上げをお約束しますよ。今月は一日に経費で落としてワザと口の軽そうな女を一人見逃してやりましたからな」
モニター室の男は店長を見ようともせず、ボソリと呟いた。
「うん、そうか」
店長は男の失礼な口振りも全く気にせず、上機嫌で部屋を出ていった――。
おわり
03.09.23