一緒にゲーム作りませんか?
ステージ3,ゲームとライバル
3人で考えるとシナリオなんてあっと言う間だった。
タイトルも『セイクリッド・ソウル』と決まり順調に進んでいた。
シナリオや設定もはるかに進んだ。
フィリスとリックの故郷フィーネで修行して自分の能力の使い方を得たヴァン、
そしてフィリスの祖父でフィーネの長老ゾアからアーフの村を襲った邪教徒のリーダー、シュヴァルツは実はフィリスの兄でリックの幼馴染だったが、魔王ガヴィアロスの封印の解き方を知ってしまい、復活させて世界を支配しようとしていた事を聞かされる、
しかしここでアミュレット回収の為に刺客として差し向けられた傭兵魔導士のロイドと戦う事になるのだがそれは邪教徒達の罠だった。
ロイドとの戦いで疲弊しきった所に邪教徒の神官リーチェの蘇らせたアンデット兵がヴァン達を取り囲んでしまう、
倒しても出てくるアンデットと不死身のリーチェに苦戦するが、ロイドが魔力を絞って額にある宝石を破壊し、リーチェの魔力の供給が解かれてアンデット達は土へと帰り、リーチェは最後の手段として自らをアンデット化させて魔人デスマルクへと変貌、これに戦い勝利、
戦闘後、仲間に裏切られたロイドからレイが魔王の魂を封印した存在だと言う事を知らされる、そしてロイドを仲間に加え大神官シュヴァルツと魔王の骸が眠る島へ乗り込もうとする、
途中海上でも待ち構えていた邪教徒の神官ゾディスが海魔デス・クラーケンへ変身するがこれにも勝利して島に上陸、邪教徒達と戦いを繰り広げてついにシュヴァルツの待つ大聖堂へ…… そしていよいよ最終決戦!
ある程度シナリオが完成するとつかさちゃんはプログラムの方へ移って貰った。
それから2ヵ月後の7月の事だった。
一学期の最終難関である期末試験に差し掛かるとオレ達はゲーム作りを一旦中断、さらに再び香奈と来栖さんの協力を得て猛勉強した。
もちろん期末テストも赤点を取ろう物なら補習は確実だった。そして結果は香奈達には追いつかないものの、また高得点を取る事ができた。
ちなみに卓は自分のテストが返ってくると核戦争で焼け野原になった後、巨大隕石がぶつかって地球が木っ端みじんになったような顔をしていた。ご愁傷様……
そして終業式を経て夏休みになった頃だった。
「やっべ〜……」
クライマックスが思い浮かばなかった。いや、本当は考えてあると言うべきだろう、
それはラスボス倒してヒロイン助けて元の生活へ…… と言う物だった。本当に良いのだろうか?
「うぅ〜ん〜〜……」
オレは1人で唸っていた。そろそろ直さないとマジでやばかった。
そう思っていると携帯にメールが入ってきた。それはつかさちゃんだった。
『こちらのプログラムは終わりました。続きはまだですか?』
やっぱ早いなつかさちゃんは……
「くそっ、どうにかしないと……」
時間が足りない、一瞬時間停止させる魔法があればいいと思った。
本来オレは武器を使って戦う戦士や武闘家が好きだがこう言う時は魔法使いが羨ましい……
何て言ってる場合じゃない!
すると人気シリーズの結婚式兼エンディングテーマが流れる、来栖さんだ。
「はい、どうした委員長?」
『あ、吉崎君? 今日これから吉崎君のお家に行ってもいいかしら?』
「ええっ?」
来栖さんが俺の家に来る? 何で?
『実は会わせたい人がいるの』
「会わせたい人って…… 俺に?」
『私の知人なんだけどね……』
来栖さんが言うにはその人もゲームを作っていてオレの話をするとぜひ話がしたいと言って来た。
『その人凄くいい人で、きっと吉崎君と話が合うと思うの…… 駄目かな?』
「あ、そんな事無い、そのくらいの時間ならあるよ」
オレはそう言うと携帯の電源を切った。
作品名:一緒にゲーム作りませんか? 作家名:kazuyuki