一緒にゲーム作りませんか?
プロローグ
ロールプレイング、シュミレーション、アクション、シューティング、レ―シング、格闘、はたまたクイズ、囲碁、オセロ、チェス、将棋等々……
この世にはたくさんのゲームがあるが、みんなはどんなゲームが好きだろうか?
ゲームこそ人類が生み出した最高の発明だと俺は思っている。
いつぐらいかは分からないが、多分小学校は入ってすぐだった頃だったと思う、
友人の家で遊ばせてもらったのがきっかけで家に帰った後、1時間近く親と言い争ってようやく買ってもらった記憶がある。
それ以来、気が付けばオレはいつもスイッチを入れていた。
「いけっ、このっ!」
オレはピンクの花弁がすっかり生え変わった葉桜の並木道を携帯ゲーム機をプレイしながら歩いていた。
自慢じゃ無いけどオレはゲームをしている最中でも目の前の信号の色や車が来るのが分かる(危険ですので良い子も悪い子も大人も真似しないでください)、
雨の日や手が塞がる日以外はこうしてゲームをしながら登校するのが日課だった。勿論学校が終わってからも家に直行して夜遅くまでゲームをする、
休日は殆ど出かけずにゲーム三昧、これをオタクと呼ぶ奴もいるかもしれないけどそんなの知った事じゃない、
オレはゲームが大好きだしゲームがない人生なんて考えられない、将来ゲームが出来るなら適当にフリーターでもニートでも何でも良かった。
どうせオレは学校でも下から数えた方が早いくらいの落ちこぼれ、しかもこれと言って得意なスポーツも特技も無い、子供の頃から駆けっこは遅いし逆上がりだってクラスで最後に出来たくらいだ。
ただこうしてゲームをやっている時が一番幸せだった。いっそ現実がゲームでゲームが現実だったら良いなと本気で思う時がある、誰だって一度は考えた事があるはずだがオレは殆ど毎日そう思っている、
これが漫画とかならゲームの世界に入り込んで冒険すると言うのがあるだろう、もしあるならそのゲームを紹介して欲しい所だと考えながらいつもと変わらない通学路を歩いていた。
オレ(ゲームの世界の方)がモンスターを倒しクエストクリア、あとは村に帰って報酬を貰うだけだ。
「よし!」
オレは右手でガッツポーズを取る、
これは世間で大人気のゲームで、やっと全ての大型モンスターを倒した。しかもそのモンスターはレア素材を持っていたので嬉しさは2倍だった。
だがオレが勝利の快感に浸っていると必ず野次を飛ばす奴がいる、実際隣を歩いていた。
「はぁ、アンタねぇ……」
そいつは頭を抱えて首を横に振った。
ショートヘアに黄色のカチューシャ、青い襟に赤いスカーフ、膝の丈上10cmと言う青いスカートと言うオーソドックスなセーラー服を着たそいつの名前は武藤香奈で、小学校からの腐れ縁…… 簡単に言うと幼馴染だった。
「私もゲーム好きだから偉そうな事は言えないけど、さすがに通学途中は止めるわよ」
「何だよ、車に跳ねられなきゃそれでいいだろ」
「んな訳無いでしょう、世間体とか気にならない訳?」
「人は人、オレはオレだ。」
オレがそう言うと香奈は深くため息を零し何も言わなくなった。まぁ大体朝はこんな感じだった。
それは始業式が終わってしばらく経った4月の半場の事だった。
作品名:一緒にゲーム作りませんか? 作家名:kazuyuki