セクエストゥラータ
本当はサッカーを続けたいんだってこと、あたしは知ってる。
アイツのことなら、誰よりも知ってる。アイツの全部を、あたしは知ってる。
あたしは、汗と泥でキラキラと輝くアイツの翼を汚してしまわないにように、触れたいって、包まれたいって想いを、ずっと、ずっと押さえ込んでいたのに。
あたしはアイツが好きで、アイツはあのコが好きで、あのコはアイツが好き。
あれ? あたし、邪魔だ。
なんでよ、どうしてよ、あたしはずっと傍にいたじゃない!
あたしの居場所を奪わないで! アイツの翼を汚さないで!
あんな女! あんな女!
いなくなってしまえばいい!
サイテー。あたしってば、サイテーだ。