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Remember me? ~children~ 5

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「ちょっと、あんたは黙ってよ‼」
 図星だった様だ。
「由美。皆と仲良くする事なんて出来ない。だからこういう事になったんだよ」
 それだけを言い残し、引き止めようとする三人を無視して、私はその場を後にした。


 その後の数日間、連中からの攻撃は止まった。
 言葉攻めで由美だけを責めたのに効果があったのだろうか。
 もしかしたら、ターゲットを私から他の誰かに変更したか。
 例えば由美。
 あれだけ私に対して挙動不審になっていたんだ。
 連中が由美に対して苛立ちを感じ、ターゲットを由美に変える事も有り得る。
 そうなってしまった場合、原因は私にある。
 一応、今日中に由美に話をしてみよう。


 昼休み後の掃除の時間。
 連中の目を盗んで、私は由美に近付いた。
「由美、ちょっといい?」
 半ば強引に由美を連れて、ベランダに出た。
 十一月下旬の為、かなり肌寒い。
「最近、元気ないよね。優子とも、あんまり話してないみたいだし……」
「……」
「ほら私達、最近あんまり話してなかったから」
「……」
 由美は、ただ雲掛かった空を見上げている。
 ここ最近の彼女は、以前よりも活気が感じられなくなっている事が、見ているだけで分かる。
「ねえ、マミ」
「何?」
「掃除が終わったら一緒に来て。皆で話したい事があるの」
 皆……とは、連中の事だろうか。
「もうマミに何もしないから。だから皆で……マミに謝ろうかと思って……」
「あれだけの事をしておいて……どうして急に?」
「本当なの‼ お願い、信じて‼」
 泣きそうな目で私を見て懇願している。
「……分かったよ」

 掃除が終わった後に由美と二人で学校を出た。
 もうじき冬という事もあり、空は既に夕暮れ色に染まっていた。
 連中は先に学校を出て、私達を近くの公園で待っているそうだ。

 公園には、土管型の遊具や、ブランコ、すべり台がある。
 ここに来たのは先日、学校をサボった時以来だ。
 普段、この公園には誰もいない。
 すっかり廃れてしまっていて、遊具もペンキの塗装が剥げ、寄り付く子供がいなくなってしまったからだ。
 おまけに住宅街からも離れていて、人の通りも少ない。
近いうちに撤去され、駐車場になるという話を聞いている。
 土管の上に、連中が座って私達を待っていた。
 三人が降りて来る。
「ありがとう、由美」
 由美を含めて四人が、私を半円に囲む。
「マミちゃん……ごめんね……」
「私……何でも出来る子が、ただ羨ましかっただけなの! 許して!」
 一人が泣き出す。
「私……本当に……ごめんね。……マミちゃん……」
 泣いている……。
 とりあえず、もう私に危害を加えないのならそれでいい。
 この連中と関わるのも、今日を最後にすればいい事だし。
「うん……。もう何もしないっていうんなら、それで……」
 一人が私にアイスを差し出す。
 棒状のアイスの真ん中を折って、半分こにして食べる物だ。
 その半分。
 紫色のブドウ味。
「受け取って。一緒に食べよ」
「……うん」
 これで仲直り……というわけか。
 もう十一月だが、やっぱりアイスはいつ食べても美味しい。
 夏場には、これと同じ物を駄菓子屋でよく食べたものだ。
 由美は、ホッと安心したように微笑んでいる。
 こんな彼女の表情を見たのは久しぶりだ。
 しかし次の瞬間、その表情は困惑へ変わる。
 一緒にアイスを食べていた一人が、私の手を強く叩き、アイスを地面に落した。
 空気が凍り付く。
「あーあー、落としちゃったぁ」
「やっちゃったぁ」
「本当に性格、悪いんだね」
 笑っている。
 三人が私の腕を両方向から掴む。
 三人の力は私の力の三倍。
 そんな力には勝てる筈もなく、ランドセルを投げ捨てられ、土管型の遊具の中へ押し込まれた。
 土管は大きく、子供なら一気に五人は入れてしまう。
 私を囲む様に、三人が土管の中へ入って来て、半屈みの状態の私の腕や足を掴んだ。
 土管の外からは声が聞こえてくる。
「ちょっと、どうして?!」
 由美は三人に訴える。
「なんで?! ここでマミちゃんに謝って終わりじゃないの?!」
 私を掴んだ一人が笑う。
「はぁ? だってマミちゃんが、私がせっかくあげたアイスを落としちゃうんだもん」
「仲直りしようってのに、本当にマミちゃんは人を見下すのが好きだよねぇ」
「やめて! お願い!」
 由美は無理やり土管の中へ入り、三人の手を揺する。
「由美ちゃぁん、いいの? こんな事して。せっかくマミちゃんへの嫌がらせをしていない間、由美ちゃんには何もしてあげなかったのに。今のターゲットは由美ちゃん。それなのに、マミちゃんが由美ちゃんに話し掛けちゃったから。次はマミちゃんだ!」
「由美ちゃんのせいでマミちゃんは、私達に痛めつけられるんだよ‼」
 その一言だけで、由美は膝を抱えて蹲ってしまった。
「そうだ! じゃあ、マミちゃんにチャンスをあげる」
 私の髪を横から引っ張り、耳元で囁く。
「別の子を、マミちゃんの代わりに私達に差し出してくれたら、マミちゃんだけは許してあげるよ。例えば優子ちゃんなんて、どうかなぁ?」
 何かが込み上げてくる。
 私を押さえ付けている三人への怒りが。
 優子が頭に浮かぶ。
 私の……大切な友達。
「やめて! 優子には……何もしないで……」
「友達想いなんだねぇ。いつも一緒にいるけど、何? 同性愛者ってやつ?」
「マジ?! きもぉい!」
 違う、優子は親友だ。
 そんな事を考えた事なんてない。
「マミちゃんはレズなんだ! これから先、女の人としかシナいんだ!」
「え?」
 両方向からジーンズのベルトを解き、一気に下半身の肌を晒された。
 寒さで鳥肌が立つ。
「へぇ、マミちゃんって、スカートとか履いてるとこ、あんまり見ないから珍しいなぁ」
「脚、綺麗なんだねぇ」
 恥ずかしさで一気に頬が熱くなる。
 すぐにでも跳び出して逃げたい。
 しかし、どれだけ足掻いても、動きずらい土管の中で、腕も脚も抑えられていては、どうしようもない。
「じゃあ、その下は?」
「やめて……嫌だ‼」
 そのままパンツも脱がされ、自身の膣が向き出しにされる。
「じゃあ、これから先、男の人とはスる事のないマミちゃんに、味わえない事してあげる!」
 そう言って手に持ったのは、先程のアイスだった。
 切り口の吸い出し部分からは、アイスの液体が少しだけ零れ出している。
「何? ……何をするの?」
 私の声は震えていた。
 他人に対して、こんなにも恐怖心を抱いた事があっただろうか。
 こんな気持ちは初めてだ。
「じゃあマミちゃん、いくよ!」
 何をするのかと思いきや、手に持っていたアイスを一気に私の膣に挿入した。
 信じられない位の痛さと冷たさが、私の下腹部を刺激する。
「痛いっい、嫌ぁ……ぃあ‼」
 今まで味わった事のない感覚。
 痛さ。
 冷たさ。
 そして何よりも憎い、という彼女達への気持ちが込み上げてくる。
「マミちゃん、大人ぁ」
 そう言いながら数回、膣に挿入されたアイスを抜き差しする。
「嫌だ‼ お願い、やめて‼ あ、あああぁぁ‼」
 溶けかけた紫色のアイスに血が滲み、それがポタポタと地面に零れる。
作品名:Remember me? ~children~ 5 作家名:レイ