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「漢(おとこ)」とは

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 それと似たよう感覚を持ったのが、数年前に映画化もされた浅田次郎氏の『壬生義士伝』の『男』達だ。私は、年と共に涙腺が緩んできたようだ。浅田さんは希代の『泣かせ屋』である。それでも、これほど、素直に涙が溢れて止まらなかった作品はない。私だけでないとも感じる。映画化されたものを観にも行ったが、その映画館でも、多くの人が泣いていたように見えた。その多くは、家族を持ち、その生活を支えるために、日々、額に汗している、あるいはそうしてきた人達に思えた。主人公である南部浪士吉村貫一朗の姿に、彼ほどの文武の才もなくとも、どこかで自らを見ていたのだと想う。この世の不条理に向かい合い、己の誇りを押し殺し、それでも歯を食いしばってきた姿を見たのだと想う。そこには、『自己実現』等いう、甘っちょろい言葉のは入り込む余地など微塵もない。それでも、そうした生き方に一点の間違いもないものだったと確かめて、逃げなかった自分のために泣いていたのだ想う。

『男』とは、そんなものだと、想う。
そして、そんなものでいいとも想うのだ。

ps.
あくまで創作された作品の中の人物についてです。史実か、どうかは問題にしていません。そして、司馬さんの作品にしろ、浅田さんの作品にしろ、それを読んで頂くのが一番だと想います。
この日記、多く方には、意味不明でもあると想います。ただ、ふっと書いてみたくなっただけです。
作品名:「漢(おとこ)」とは 作家名:梵風