母と娘
清子、電話にむかう。清子出てくる。
啓 それで?
清 子 アパートを借りるお金が出来たから、今度の休みに探そう
って。
啓 それで?
清 子 う~んーーー。
考え込む清子。其れを見つめる啓。
O 翌日 居間で洗濯物をたたむ啓。
玄関の開く音
清子の声 お母さん、手伝って。
部屋から出る啓、大きなカバンを抱えて入ってくる二人
啓 何?これ。
清 子 私の荷物。
啓 じゃ、ちゃんと話してきたんだ。
清 子 ううん。留守だから、置手紙してきた。
啓 そんな。
清 子 いいの。大下さんに、あなたが居なくても生きていけるけ
ど、舞台がなくなったら、生きていけないから、芝居の勉
強に集中したいから、わかれますって、書いてきた。
啓 失礼だよ。相手に。
清 子 いいよ。もし、それで、なにか云ってきたら、会って話す。
多分言ってこないと思うけど、籍も入れてないし。
啓 ―――――
清子、すっきりした表情で母のたたん
だ洗濯物を片付け始める。
静かにEND。