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隻眼の鳥

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スバル  前から言おうと思ってたんだけど、ユーキは後ろが無防備すぎ。
ユーキ  ……うるさい。
スバル  ……子供?
ユーキ  カイとリナの子供。今日から、私が母親になる。
スバル  そう。
ユーキ  ……。
スバル  ……何してるんだ、帰るよ。
ユーキ  え?
スバル  この国のことは、エルザ達がなんとかしてくれる。
ユーキ  何を言っているんだ。
スバル  ユーキが心配しなきゃいけないのは、最優先でその子供だろ?
ユーキ  そうだけど、
スバル  この時代、どうやって一人で育てるつもり。
ユーキ  何とか、頑張って、
スバル  自分でも言ってただろう。子供には、家族が必要だよ。ほら、おいでユーキ。帰ろう。
ユーキ  でもスバルに……みんなに迷惑をかけるわけには。
スバル  ユーキ、君の本当の願いを教えて。たったひとつだけ、一番の願いを。
ユーキ  ……。
スバル  教えて。
ユーキ  ……帰り、たい。
スバル  おいで。帰ろう。僕たちの家に。








トワ   母さん、行ってきます。
老婆   気をつけるんだよ。
トワ   分かってる。じゃあ。期待してて!

トワ退場

老婆   カイ、見ているか? お前の息子はお前に似てとても手が掛って、リナが望んだように強く育ったよ。
     今日はスバルの秘密の狩猟場を教えてもらうから張り切ってる。怪我をしなければ良いけど。
     なぁ、カイ。覚えているか。私が見る世界をお前が見て、お前が見る世界を私が見る未来の話を。
     光を失った目に、不意に何かが映る事がある。カイ、お前も見ているんだろう。この、遠く遠く輝く
     空の光を。




隻眼の鳥  完


 作中にセリフのない登場人物が多数登場します。
 今回は極力暗転を減らした関係で、人物や照明で場転を表現します。
 なので、セリフのない登場人物を背景のひとつと考えてあえて登場させました。
 セリフのある人物を除くキャストで賄えるようにしてある(つもり)なので、たぶん大丈夫だと思います。
 最後に出てくる「トワ」は、カイのキャストが演じてください。
 老婆は……なんて言うか、都合良く使ってごめんなさい。
作品名:隻眼の鳥 作家名:barisa