「歩」
幸せだったあの頃
愛に包まれ満たされていたあの頃
それでも僕が歩くことを覚えて
みんなが話す言葉の意味が解りはじめた頃
僕は更に新鮮な幸せを感じた
だって、誕生からの日々は皆から笑顔で
祝福の言葉をかけられてた。
そんな幸せに包まれていたある日
僕は天国から地獄に堕ちた・・・
僕の存在を否定されるような
そんな言葉を受けてしまったから
僕の心は凍りつき
生まれて来たことを悔やんだり
死と言うものも初めて意識した
安堵と言うホームを失い
孤独に苛まれつつ
僕は外に己の行き場を求め
必然から独りで歩み始めた
「歩」
それは、そんな心のファースト・ステップ
僕の自我の目覚め刻印