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そして、さよなら

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キミから言葉が届いたから
ボクは言葉を返した

キミと出逢った日から
ボクは知りたくなった

キミの話はわからないけど
ボクを楽しませた

キミの気持ちに応えたくて
ボクは答えを探り出した
 
キミの発想はいつも突飛で
ボクは聞いてるだけだった

キミの夢中で話す声が
ボクには可愛く聞こえた

それなのに……

ボクに興味を持ってくれたキミは
自分を見せようとはしない

ボクが言った言葉にキミは
声を出さず泣いた

ボクが近づくとキミは
その分遠ざかった

だけど……

ボクが心を見せると
キミはカーテンを越しに覗いた

ボクが言葉をかけると
キミは窓の鍵を外した

ボクが姿をさらけだすと
キミは窓を開けてくれた

しかし……
 
キミの輪郭はぼけたまま
ボクの求める画像は見えない

キミの紗の掛かった姿に
ボクのレンズは苛立つ

キミの姿が映せないなら
ボクはカメラを置こう

そして……

キミがキミであるために
ボクがボクであるために

さよなら
作品名:そして、さよなら 作家名:甜茶