超短編小説 108物語集(継続中)
高瀬川洋介(たかせがわようすけ)は『送信』ボタンをクリックし、達成感でふうと息を吐いた。
そして「次のお題は何かな?」とぼそぼそと呟き、あとはおもむろに新着コンテストの画面に入って行った。
そこには『コーヒー』と表記がある。
これを目にした洋介、「コーヒーね、ちょっとなあ」と心もとない。天井を見上げ、自分自身を題材に書いてみようか、それともパスしてしまおうかと迷い始めた。
洋介は長年のサラリーマン生活を62歳で終えた。そして今は自由な暮らしを楽しんでいる。その一つが、決して上手いとは言えないが、お題からイメージした小説を投稿したりしている。
「だけど、これ、どうしようかなあ? まっ、一応コーヒーを題材に綴ってみるか」
こう思い至り、過ぎし日々を振り返り始めた。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊