超短編小説 108物語集(継続中)
その日から僕の名前は「危機一髪」です。
名は体を表す。振り返れば、現在に至るまでたくさんの危機一髪を経験してきました。そしていつの間にか、あれから10年の歳月が流れ、人間で言えばもうアラ還年代になってしまいました。
ここまではダンナに奥さん、それにエッコとヨックンの家族みんなのお陰で自由気ままに暮らさせてもらいました。感謝の気持ちで一杯です。
しかしですよ、なにか予感がするのですよね、このままの平穏な日々だけでは終わらないと。我が生涯において最大の危機が起こるのではと、ちょっと不安です。
でも、またその時は、得意の危機一髪で乗り越えたいと思います。
機会あれば、その顛末をまたご報告させてもらいます。
みな様方におかれましても、多くの危機があろうかと思います。
どうかスルッと危機一髪ですり抜けて、人生生き延びていかれますようお祈り申し上げます。
本日は犬一匹からのほんのご挨拶だけでした。ありがとうございました。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊