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超短編小説  108物語集(継続中)

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 ここはベテラン刑事、上司として部下の迷いに決着を付けてやらねばならない。
「いいか、今の成りすまし爺さんAが死んだら、Aとして葬式するか、もしくはまた竹藪に埋めて、いずれにしても今度は坂巻雄三の行方不明届けを出せばよいんだよ」
 この助言にハッと閃いた芹凛、「あっ、そうでしたね、行方不明者の死亡が確定するのは、7年後。たとえAさんが亡くなり、来週から派遣が来なくとも、父はホームを抜け出し、行方不明になった。これで坂巻雄三の息子夫婦は少なくともあと7年間、親父の年金を手にすることが出来る、ってことだわ。――、damn it!」と、怒りで血が滲むほど唇を噛む。

 一方百目鬼刑事は天を睨み付け、腹の底から絞り出すのだった。
「鬼嬉々山にはルンルン気分の鬼がいる、そんな謂われが確かあったな、あいつらこそがその鬼畜ルンルン、クソ野郎だな。こっちは誠の鬼だ。さっ、そこの――、正義の女鬼刑事さん、やつらを成敗しに行くぞ!」