超短編小説 108物語集(継続中)
鬼嬉々山(おにききやま)には、字の通りルンルン気分の鬼が棲むという。
そして満月の夜には時折裾野に広がる竹藪に下りてきて、エッサ、オッサ、ホッタラカーネーと変ちくりんな掛け声を上げ、踊るらしい。
一体何のために?
村人の噂では、多分タケノコでも掘り起こして喜んでるのだろう、と。
そんな気味悪い竹藪の一部が、宅地造成のため最近掘り返されてる。
今日もショベルカーが暗くて湿った奥地まで侵入し、ガーガーと唸ってる。
昼下がり、作業は真っ只中、そんな時に、何かが出てきた。
世間はその騒ぎを、ネットニュースにより知ることとなる。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊