超短編小説 108物語集(継続中)
時節は晩夏、だが暑い。
仕事帰りの私は居酒屋で生ビールでもと足を向けた時、角にある旅行社の看板が目に飛び込んできました。
七不思議の庭・けったい園が公開の運びとなりました!
飛鳥時代に造られた池泉式日本庭園、先人たちはその美に魅了されてきました。
されども庭内で多くの者が神隠しに合ったため、ここ1世紀の間封印されたままでした。
朗報です! 時代は令和、科学の進歩により神隠しが解明されました。
よって当旅行社、ウィズユーは、マンネリを打破したい貴方のためにびっくりプランをご案内させていただきます。
お待ちしてま〜す。
私は三つの『キ』、元キ、驚キ、ときめキに滅法縁のない冴えない独身サラリーマン。
だがここで濁音の『ギ』、不思ギに前頭葉が発火し、ドアを押してしまいました。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊