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超短編小説  108物語集(継続中)

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 猛暑続きの夏がやっと終わり、秋風を感じる季節となりました。そんな折に、浩二から誘いがありました、「直樹、お前に預かって欲しいものがあるんだ、だから今晩会わないか」と。
 あいつはいつも唐突。ムカッときましたが、何か特別な理由があるのではと思い、予約済みの居酒屋へと向かいました。

「再会に乾杯!」
 浩二がビールの泡を零しながら生中ジョッキをガチンと合わせてきました。その勢いに応え、とりあえず乾杯。
 私は一口飲み、「確か前回会ったのは未確認生物を探しに行った桜の頃だったよな、たった半年前のことだぜ、それでも再会に乾杯とは、ちょっと大袈裟過ぎないか」とブツブツと吐く。しかし浩二はその間にグググッと一気飲み。それから「もう一杯お願いします!」と声を張り上げました。

 息つく間もなく二杯目の注文ですよ。さすが学生時代は未確認生物発見同好会のリーダー、今もってその迫力と天真爛漫さに圧倒されました。私も負けじと飲み干し、ふうと一息吐き、「ところで、預かって欲しい物って何なんだよ」と尋ねました。
 浩二はジョッキを下ろし、私のこの問い掛けは性急過ぎるのか無視し、「なあ直樹、寛太って知ってるだろ」と話しを振ってきました。

 寛太は同窓生、あまり付き合いはありませんでしたが、まじめで……、そう言えば未確認生物発見同好会の部員だったかな。
 私はこのように思い出し、「ああ」と軽く返すと、浩二はゆっくりと目を閉じ、「これは弔い酒だよ」と絞り出しました。その後はグビグビと。
 私はじらされてしまい、「その寛太が一体どうしたんだよ?」とせっつきますと、浩二はおもむろに口を開きました。そして語られた顛末は残酷、いや、興味をそそる次のような話しでした。