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超短編小説  108物語集(継続中)

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「高級ホテルの一室で、著名人同士の男女の関係、いや、それ以上に腐れ金の授受の瞬間。確かに噂はあったわよね、女優Kは裏社会からの運び屋だと。これぞ凄いスクープだわ」
 色恋沙汰以上に金銭絡みが大好物の芹凛がスクリーンに映し出された画像を見て、浮ついたことを呟いてしまった。
「もっとクールになれ」、百目鬼から間髪入れずの一喝が。
 芹凛はハッと我に返り、絵の隅から隅までチェックしていく。それにつれ面玉から不気味な光を放ち始める。
 そして最後に女刑事が言い放つ、「これ、フェイクだわ!」と。

 すぐさま百目鬼が「どこが偽物なのだ?」と問い質すと、「女優Kの身長は170センチ、この比で行くと、この議員Fは190センチとなります、この背丈はあり得ないわ」と言い切る。
「ということは、ここに映った男と女は変装した偽者ってことか」と百目鬼が再確認すると、芹凛は「正義のカメラマン、一騎が偽者たちを使いこの状況をでっち上げようとしたのか、それとも成り済ました男女にガセネタで嵌められたのか、そのどちらかと思います」と粗っぽく推理を述べる。
 この勢いに上司は「要は陰謀絡みの殺人だな」と頷き、「さっ芹凛、FとKの裏を取りに行くぞ」と本格捜査へとのめり込んで行った。