超短編小説 108物語集(継続中)
フー。
浩二はちょっと臭めの息を吐き、「超A級未確認生物、ワイルド・バイシクルをついにゲットしたぞ」と満足度100%越えでした。
しかし、私はもう一つ飲み込めません。
「長年駅前に放置されてきた自転車が、何かの切っ掛けで動物に進化したってことなのか?」
私はこんな無垢な疑問をぶつけてみました。すると達人は素人の私に講釈したのです。
「現代の自転車が生物に進化したのではない。野生の自転車は古代から生存していて、それを目撃したドイツのドライスさんが真似て、今の自転車の原型を作ったんだよ」
私は思わず眉に唾を付け夜空を見上げました。
するとお月さんがニッコリされてるようでして、貧乏サラリーマンの私でも思わず叫んでしまいました。
「野生自転車を見たぞ、ラッキー!」
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊