超短編小説 108物語集(継続中)
今年は大雪でした。しかし世の常、時は巡り行き、早くもあちらこちらから桜の開花宣言が聞こえてきます。
きっとそのせいでしょうか、ビンサラ、いわゆる貧乏サラリーマンの小生の心もそこはかとなくウキウキと、なりにけりです。
そんな時にですよ、唐突窮まりない電話、「直樹、花見に行かないか?」と浩二から掛かってきました。
まことにびっくり三年柿八年。
というのも学生時代、未確認生物発見同好会のリーダーだったヤツは卒業後も私を強引に引き摺り込み、パンダ猫の捜索や富士樹海にある風穴の竜宮姫に会いに行ったりと、まことに珍奇な活動を継続。
さらに昨年は沖縄のヤンバルクイナの森で妖怪キムジナーと親しくなり、とどのつまりはずっと一緒に暮らしていると思っていました。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊