超短編小説 108物語集(継続中)
だけど昨夜のことです、上司の栄転祝賀会があり、少々酔っ払って帰ってきました。シャワー後ベッドへ潜り込み、眠り落ちました。
ドスン!
深夜に耳元でこの物音です。
私は驚きで何だと灯りを付けますと、穴の前に立っていたのです、少女が。
「お嬢ちゃん、なんでこんなところに?」
私が訊きますと、「公園に大きな木があって、そこの穴に入ったら、ここへ。ママのところに帰りたい」としくしくと泣き始めるじゃないですか。
これは一大事、私は朝を待ち、少女を連れて交番へと向かったわけです。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊