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超短編小説  108物語集(継続中)

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 百目鬼からパチパチと拍手が。これに芹凛はホッ!
 だが間髪入れずに「で、動機は?」と直球がすかさず飛んでくる。芹凛はうっと詰まるが、ここは鬼女刑事の勘と意地で言い放つ。
「風と月は魔女の子供で、世話になった人を殺す。要は裏切ることが大好物。これを餌に生を高めて行く、そんな性(さが)を持つ魔物なのよ」

 怒りを抑えられなくなった芹凛に、百目鬼は「じゃあ、その終焉は?」と軽く訊く。
 この質問に芹凛は目をパチクリとし、「裏切りを愛する女たち、最後に風と月が殺し合い、裏切りが強かった一人が最強の魔女になるってこと……、ですか」と。

 この一瞬辺りの空気がひんやりとしたようだが、「さっ、魔女狩りだ!」と百目鬼は吠え、鬼の目をギラつかせながらすでに走り出してしまっているのだった。