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超短編小説  108物語集(継続中)

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「皆さん、他人への思いやりを芽生えさせ、平穏に暮らして行けるように導いてくれる反面教師型ロボットを、ついに我々は開発に成功しました。そのロボの人格のモデルとなった5人のスタッフたち、ここは愛称で呼びますが、ヒカラビ男にヒヨコネエ、雲隠れニーと口まめ女、それと指折りあんちゃんに心より感謝したいと思います」

 今宵は開発完了の打ち上げ会、課長が大袈裟に挨拶をし、そばのロボットにハグする。
 こんな展開にヒヨコネエが「課長、私たちの根性悪さがコピーされたロボなんて、人気出ませんよ。葬り去りましょう」といつも通りかん高くピイピイと鳴く。まことに五月蝿い。

 だが、そんなことはなんのその、今度は口まめ女が「ねえねえ、A社の営業課長って、苦み走ったいい男でしょ。この間若い女と腕組んで歩いてたわ。きっと不倫よ」とペラペラしゃべり、あとは「課長、不倫経験ありますか?」と顔を覗き込む。
 まったく場にそぐわない話題。指折りあんちゃんが指を口に当てると、横で身を潜めていた雲隠れニーが「課長はダサイ、オサムさんだぜ」と囁く。