超短編小説 108物語集(継続中)
現代人は生きて行くために必死。そのため日々多忙だ。
そして人たちが行き交う町は、人間どもの五欲が絡み合い、結果として喜怒哀楽が交錯し、いつも喧噪だ。
そのせいもあってか、人は疲労し切っている。そしてそこからの逃亡、もっと自分の生き方を受け入れてくれる、あるいは合致した世界はないものかと探し始める。
ご多分に漏れずサラリーマンの洋介も、嫁、金、やり甲斐ある仕事に飢えている状態だ。このまま自分の欲望が満たされないまま、ただ時間だけが経過して行くのではないかと、最近不安が募る。
とどのつまりが今ある俗界とは異なる、もっと満足できる、もう一つの現世がどこかに存在しているのではないかと、やっと取れた休日に、近頃ネット内で話題となっている山へと登って来た。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊