超短編小説 108物語集(継続中)
「いらっしゃー、まっせー」
ふらりと立ち寄った高見沢一郎に、コンビニ特有の挨拶が飛んでくる。そして弁当を取り上げレジへと。
「あたためますか?」
「うん、あっためて」
コンビニ定番の会話だ。
それからプラスチック袋を手にし、外へと出る。そこに若者たちが物憂げにたむろしている。別段驚くことではない。日常化した風景だ。
だが、彼らの横を通り過ぎる時にふと思い出す。高見沢にとって忘れられないコンビニを。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊