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超短編小説  108物語集(継続中)

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 そして翌朝のことです。元々ウミンチュ(漁師)のキムジナー、私たちを漁に誘ってくれました。
 深い森に朝陽が射し込む前に洞窟から地下へと下り、東へと進むと断崖絶壁が迫る海へと出ました。

 そこで様々な魚介を獲るのですが、いやはや仰天。キムジナーの嗜好にあやかったのか、私の左の目玉が飛び出ました。
 女足魚、ニャンニャン蟹、パン鮹などですよ。要は未確認生物の宝庫でした。そして陽が沈むと、大漁の宴を持ってくれました。

 こんな愉快な時はあっと言う間に流れるもの。すぐに三日が経ち、「お前は俗界のサラリーマン、留守はほどほどにして、仕事に戻った方が良いぜ」と浩二が注意してくれました。これで私はハッと我に返ったわけです。

「マタヤーサイ」(またね)、キムジナーたちからの声を背に、私は一人ヤンバルクイナの森を後にしました。
 しかし、後ろ髪を引かれる思いでした。なぜなら「キムジナーとの友情をもっと育みたい」と言って居残った浩二の自由奔放な生き方が羨ましかったからです。

 それでも私は「俺は俺なりに、頑張る日常に戻ろう」と気を取り直し、友とキムジナーの絆がもっと深まりますようにと後方のジャングルに声を張り上げたのでした。

 沖縄に鯛焼き、イーヤーサーサー、イーヤーサーサー!