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超短編小説  108物語集(継続中)

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「スコーピア・グリーゼ・667Cというステルス性航空機は、全長100メートルの円筒形で、かってのジャンボ機を上まわる大きさの、核兵器を搭載した軍用機と考えられます。このような物を造る技術は未だ地球上にはありません」
「ならば、どこから来て、その目的は?」
 官房長官が細い目を見開きますと、博士は椅子から垂直に立ち上がって、
「22光年先の恒星グリーゼ・667C、そこに地球によく似た惑星があります。どうもそこのさそり座星人のようでして……、だが飛来の理由はわかりません」

 自信満々に不明と言われても、委員全員は頭を抱えてしまいました。その時です、さすが首相、きりっと天井を睨み付け、「東京の上空で戦闘行為は許されません。ここは着陸させ、世間から隔離して、しばらく様子を見てみましょう」と結論を下しました。

 私はこの方針を受け、C滑走路への着陸許可を発しました。パイロットからロジャーと了解があり、引力操作によるランディングなのでしょう、機体をメタリックに輝かせながら音もなく滑走路を滑って行きました。あとは羽田最大の格納庫へと誘導し、人目に触れることがない処置を取りました。