超短編小説 108物語集(継続中)
「明日の1日の長さは24時間32分となります。みな様、時計を合わせてください」
ニュースキャスターからのこんな案内を聞き、私はTVのスイッチを切りました。
それにしても毎日1分のペースで、1日の時間が伸びて行く。言い換えれば、その分地球の自転が遅くなっているということ。このペースだと、あと4年弱で地球の回転は止まってしまいます。
また宇宙へと目を遣ると、惑星は太陽との引力のバランスを崩し、火星も金星も軌道から外れつつあります。いずれ地球も含め、迷い星として宇宙の果てへと旅立つことでしょう。
なぜ、こんな事態に?
しかし、原因は不明。そのため世界はパニック寸前に。それでも缶ビールをぐっと飲み干し、ちょっと気楽かなと自嘲した時です、ミッキッコから電話があり、早く秘密基地に来なさいよ、とお叱りを受けました。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊