超短編小説 108物語集(継続中)
生物か、否、UFOか?
その物体は新幹線のぞみ号を猛スピードで追い越して行く!
帰宅途中の花瀬純一、スマホでニュースをチェックしていたら、こんな見出しが目に飛び込んできた。新幹線より速いヤツって、What?
指先で記事を拡大させる。
関西から東へと向かうのぞみ234号、午後4時前に関ヶ原辺りを走行する。最近、その車窓から奇妙な物体が確認されている。目撃者によれば、物体の大きさは3m程度。暗い空から雪原にスーッと現れ、鳥、馬、人間など様々な姿となり、キラキラと七色に輝きながら並行に飛行する。いや走り、新幹線を猛スピードで追い越して行く。その時間はたったの30秒、後は空中へと直線的に上昇し、山の方へと消えて行く。
一体その物体は生物? それともUFOか?
現在、撮影された写真等により専門機関で鋭意解析中だが、未だその正体は判明していない。謎はますます深まるばかりだ。
人たちは、その物体を――猛スピード『X』と呼ぶ。
以上の記事に読者からのコメントがある。
捕獲して、動物園で手懐けたら?
スーパーマンの突然変異か?
地球滅亡の前触れかもよ。
等々
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊