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超短編小説  108物語集(継続中)

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「ひょっとして、大輔君?」
 そんな時、背後から声が。大輔が振り返ると、あの美術室にいたミツ子と同じ眼差しの女性が立っていた。大輔はフラッシュバックし、呆然と。「幽霊じゃないんだから」とミツ子は微笑み、ここまでの道程を一人喋った。大輔はそれに頷くだけだったが、嬉しかった。やがて時間となり、大輔はミツ子に暇を告げた。

 するとミツ子が気恥ずかしそうに囁く。
「告白の続きを、大輔君の絵の上に書いて欲しいの」と。

 確かに誠の告白は未完のままだ。ここは親友に代わって完結させるべきなのかも知れない。
 しかし二人は異母兄弟。どう終わらせるべきか大輔は迷った。そしてついに、大輔は男の意を決した。

 ロボットのような、高校時代のブルータスの絵の上に、まず―― ミツ子が大好きです。だから、大人になったら ――と、誠と同じ文言で筆を走らせた。それから深呼吸し、続きに大輔自身の告白を書き込んだのだった。

 ―― ミツ子を奪い取ります ―― と。