超短編小説 108物語集(継続中)
大輔は通勤帰りに書店に立ち寄った。その支払い時に、並べられてあるイベントパンフを手に取ってみる。
『新進気鋭の女流画家・花井ミツ子の個展開催』
これを目にした大輔の身体に緊張が走る。なぜならミツ子は初恋の人。そして今も恋心を抱いている。
『運命に翻弄された過去を捨て、私は未来へと踏み出したい。キャンバスに、そんな思いをぶつけてきました。』
開催にあたってのミツ子の思いが載せられてある。大輔はこのミツ子の苦悩がわかるような気がする。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊