小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

超短編小説  108物語集(継続中)

INDEX|426ページ/761ページ|

次のページ前のページ
 


「星が煌めいているわ。ここでも宇宙が近くに見えるのね」
 陸(りく)がオフィスビルの屋上で何気なく夜空を眺めていると、背後からさりげなく囁かれた。だが、あまりにも唐突で、心臓がドキンと打つ。その驚きを隠し、陸が振り返ると、そこにはスラリと背の高い女が立っていた。

 最近世界は緊迫状態が続いている。陸は国家機密機関に勤める情報部員。昼夜を問わず情報収集に追われ、今夜も徹夜になりそうだ。そんな中、息抜きにと屋上まで上がってきた。
「星から星へと、もし旅できたらいいですね」

 女はこのビルのどこかに勤めてるのだろう、ここは当たり障りなく、それでも少しキザに返してしまった。これに女はフフフと意味ありげに笑う。
 それにしても真っ白なワンピースを着こなし、そこはかとなく色香を放つこの女、決して国家うんぬんに関わってるようには見えない。