小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

超短編小説  108物語集(継続中)

INDEX|392ページ/761ページ|

次のページ前のページ
 


 一週間前、百目鬼と芹凛はたまたま地元警察の、次のような事故報告書を目にした。

 アパレル会社の部長職、花坂の遺体が鶯橋から500メートル下流で発見された。岩にぶつけた打撲痕が頭部にあり、橋から転落した可能性が高い。
 花坂は一人合縁奇縁荘に宿泊した。翌朝はまさに一年に7回あると言い伝えられる激しい雨。それでも花坂は午前8時にチェックアウトし、豪雨の方がきれいに因縁を洗い流せると女将に言い残し、天魔堂へと向かった。

 死亡推定時刻は午前9時。天魔堂へは徒歩15分で到着できることから15メートル下の川へと落下したのは帰り道のことだろう。
 橋の上には女将が手渡した2本のペットボトルが残されていた。だが殴打のための凶器はなかった。また客は花坂だけであり、目撃者はいない。

 花坂は落下時、頭部を岩にぶつけ即死、その後流されたと断定できる。