超短編小説 108物語集(継続中)
時は今から500万年前、アフリカの大地は熱帯雨林から乾燥したサバンナへと変化しつつあった。これによりジャングルは徐々に消滅し、まるで大海に浮かんだ島々のごとく、草原に小さな森が点在する状態となっていた。
当然、年ごとに森で採れる果実も少なくなって行った。そして森の住人の類人猿たち、不幸の宿命を背負っているのか、食料が減少してもそこから抜け出せなかった。
されども類人猿たちは母音の発声だけで互いに意思疎通をし、助け合って生きていた。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊