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超短編小説  108物語集(継続中)

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 こんな動機で、北本が綾乃を斬殺した可能性が高い。だが雲隠れしてしまった。捜査にも焦りが。
 そんなある日、衝撃が走る。北本の水死体が上がった。それは自殺か他殺か?
 芹凛は「どちらにしろ、これで事件は藪の中に」と嘆く。

 しかし、百目鬼は一段と眼光を鋭くさせ、空を睨み付け絞り出す。
「こうなることを一番望んでいたのは、山端から離婚して、過去をすっきり精算させた美月。すべては美月のシナリオ通りなのかもな。つまり、ある日美月がこっそりと綾乃のアパートを訪ねたら、隣人の北本が引っ越し中だった。そこで北本と会話を交わし、美月は北本の無念を知った。ここは夫と愛人への恨みを晴らすチャンスと、北本を焚き付けて、綾乃を殺めさせた。その後、美月は用なしとなった北本を葬り去り、気楽な身となり……、さあ芹凛、事件はまだ終わってない。出掛けるぞ!」