超短編小説 108物語集(継続中)
夢はレム睡眠の時に見る。
つまり一夜に4、5回起こる急速眼球運動(REM:Rapid Eye Movement)、その時右脳で視覚され、左脳により言葉が付加され、夢は認識される。
だが明け方の最後の夢だけが記憶として残り、それ以前の夢はすべて忘失してしまう。
その消えてしまった夢って、どんなのだろうか?
もし、それが録画でき、再生できたら……、新たな自分を発見するかも。
こんなアホな思いに取り憑かれたヤツがいる。その男の名は高見沢一郎、ごく普通のサラリーマンだ。
単身赴任の安アパートに帰ればメッチャ暇。缶ビール片手にサスペンスを観るのが関の山。しかしだ、ここへきて中年のあがきだろうか、ヤケクソの一念発起。夢録画プロジェクトを一人キックオフさせたのだ。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊