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超短編小説  108物語集(継続中)

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 ある企業のコンピューター室に勤務する藍染夏樹、上司から告げられた。社長が面談したいと。
 こうしてその夜、夏樹は高級料亭で社長と向き合うこととなった。単なる専門職にとって、こんな事態なんて考えられないこと、だが現実に。

「さっ、遠慮なく」
 社長が緊張する夏樹を気遣って気軽に声を掛けた。これに「はい」としか返せなかった夏樹に、今度は「まあ、一杯」と社長が大吟醸を奨める。そして「君はずっと一人者だそうだね」と。「はい、そうです」と夏樹は正直に答えた。

 事実、夏樹は孤児院で育った。孤独な境遇であったが、先生の指導を得て、コンピューターの勉学に励んだ。その甲斐あってか、この会社に入社できた。いや、拾ってくれたと思ってる。その恩返しにと、現在まで仕事に精魂を傾けてきた。