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超短編小説  108物語集(継続中)

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 以前、一度登場させてもらった、ビンサラ(貧乏サラリーマン)の直樹です。新たな展開を紹介させてもらいます。

 さて、学生時代に未確認生物同好会のリーダーをやっていた旧友の浩二、久し振りに出逢った時に言いました。
 山奥に──パンダ猫──がいると。
 そいつは孤独を好み、喉をゴロゴロ鳴らし、その辺を徘徊する。だけど小判には興味を示さない、とまことしやかに解説してくれました。
 それを聞いて私は、そんなのただの野良猫じゃん、と言い捨ててやると、毛色は白黒のツートーンカラー、目の周りは黒く、尻尾は丸く、ゴロンと上を向いて楽しそうに遊んでるんだよなあ、と目を細めました。私は、それはパンダだろ、と頭から馬鹿にしてやりました。

 すると浩二のヤツ、パンダ猫は福を招く招き猫と、客寄せパンダ、それらが合体した──この世で最強の金運アニマルだよ、どうだ飼ってみたいだろ、と私を窺ってきました。
 私はビンサラ、金運を呼び込むパンダ猫がいるとは……、そいつをとっ捕まえさえすれば、貧乏から抜け出せる、と嵌まりました。
 それからのことです、休日にはリュックを担いで、パンダ猫を探し求めて、山へと出掛けて行きました。