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超短編小説  108物語集(継続中)

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 台風の本土接近。そのためか最近の天候は荒れ模様。気温も落ちた。
 その反面、人たちは秋の訪れを実感し、猛暑続きで干上がった心も、ホッ。
 サラリーマンの颯太も同じ、まるで拷問のような夏の日々を乗り越えて、世間のみなさまと同様に、ホッ。

 こうなればジョギングの再開でもと。もちろんコースは慣れた川沿いの道、すべてから解放されてタッタッタッと気分は上々。そして何回か繰り返す内にランナーズハイが再び芽生え、もう止められない。

 今日も今日とて懲りずに、雨がぱらつき風が吹く中、ジョガーたちに混じり、折り返し点の公園まで走り着いた。
 まだまだ汗は噴き出し、その熱を冷ますために、颯太は公園の隅っこで軽いストレッチをする。空を見上げれば、黒い雲の動きが速い。大きく息を吸い込み、ふーと雲に向かって吐きだす。

 そんな時だった、「あれ、また座ってるよ」と、いつもの女性を発見する。