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超短編小説  108物語集(継続中)

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 そして2時間後、大樹は節子と駅前で落ち合った。そこから二人で右から2番目の改札を通り、浅草へとやって来た。
 大樹は今、大提灯を見上げている。そしてフーと大きく息を吐き、しみじみと呟くのだ。
「カッコ良い書体で、『雷門』と書いてあるよな。明朝体でなくって良かったよ」
 これに寄り添っていた節子が、大樹の手をしっかりと握る。

「友達が話してたわ。左端の改札は、明朝体だらけの世界への入口なんだって。危なかったわ、だけど今日、右から2つ目の改札を通って、浅草に来て、観音さまに私たちの結婚をお願いするから。いろんなフォント花咲く世界で、楽しく一緒に暮らして行けるわ。さっ、確定しに行きましょ」