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超短編小説  108物語集(継続中)

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 最近人工海水のためか内陸型水族館が増加している。したがってアパート近くに新設されても、さほど目を丸くするほどの話しではない。だが、深夜営業とは……? いささか意外だ。

「ははーん、勤め人は昼間に時間が取れないからなあ。そうなのだ、ここはサラリーマン向けの水族館なのだよ」
 高見沢は勝手な解釈をし、独り納得する。ホント、気楽なヤツだ。
 とは言うものの、深夜の水族館って、どんなの?
 高見沢に興味が異常に膨らむ。こうなれば、じっとしてられない性分。どちみち眠れぬ長い夜、ふらっと外へと出てしまった。

 入場料は千円、割に安い。そのせいか、さほど大きくないフロアーに水槽が並び、どこかで見たような魚が泳いでいるだけ。まあ、第一印象としてはごくありふれた水族館だった。
「珍しいオトトはどこだ〜い?」
 巫山戯たことを叫んでしまう。そんな時だった、係員が擦り寄ってきた。

「お客さん、今泳いでますよ。さあ、先へとお進みください」
 高見沢は声に反応し、次の部屋へと進んだ。