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超短編小説  108物語集(継続中)

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問1
 以上を読み、次に続く物語を考え、そのあらすじを記せ。

 サラリーマンの高見沢一郎、「何じゃこれ」と唸った。これがネット内の小説大学の入試問題なのだ。
 日々仕事に追われ、時として自分を見失ってしまう。そんな時に思い付いた。自分を取り戻すためには創作が一番、そう、小説を書いてみようと。だが素人、まずは指導が受けられる小説大学に入ろうと。

 そしていきなりだ、こんな入試問題が。だがここで立ち止まってるわけにはいかない。高見沢は妄想の果てに解答する。


 その後、子供たちは宇田川と美智の熱心な教育を受け、言葉が話せるようになった。そして一所懸命に知識を吸収して行った。
 こんな純朴な子供たち、だが変わった特徴があった。それは異常なくらいに生き物に固執すること。カブト虫から始まり、カエルに鶏、そして牛にと、その偏愛は大型動物へと移って行った。そしてそれはいつも雄雌の番(つがい)の組み合わせだった。

 開校され一年が過ぎようとする頃に、彼らの興味は人間へと向かった。つまり宇田川と美智にだ。
 ついに子供たちからカップルになれとの要望が出た。言い換えれば、二人の子供を作れということだ。
 これを断れば、契約不履行で年俸を手にすることができない。嫌いでも好きでもなかった二人、迷った末にやむなく番になることに。そして子供たちが観察する前で、これも教育の一環か、生殖行為を行わざるを得なかった。しかし、幸いにも翌年子供を授かった。

 これは一体どういうことなのだろか?
 しかし二年も経つと、今まで関わってきた事態が何だったのか、わかり始めた。
 まず学童たちは天狗山に降臨した宇宙人の子供たちだと。そして宇田川と美智を教材として、地球の生命体を学ぶ彼ら独自の児童教育だったのだ。

 今となれば、二人は誕生した生命を受け入れ、後悔はない。むしろその縁に感謝している。
 そして宇宙人の子供たちは、このプロセスを通し、地球の生命体が何なのかを学び、また森羅万象を支配する摩訶不思議な「運命」、それが地球にも及んでいることを確認したのだった。