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誰かたすけて  ショート3つ

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『誰かたすけて』

  

突然の彼女の涙に面食らった
涙を交わすほどの間柄ではないと思っていたから


数回、関係を持った程度

         程度 だと思っていた


   とにかく彼女は泣いている



   その涙の重さがどれ程のものなのかを

   慌てふためきながら

   冷静に見極めようとしてみた



夕暮れの大きめな公園 人影はまばら



 彼女を真っ直ぐに見ることの出来ない理由も判らず
            視線は 公園の池に逃げた



            釣人を眺めた



        飛び立つ鳥を眺めた



     流れる雲を追い続けた




 雲、って言葉にしてもそうだと思う
 この言葉が どんな形をイメージさせるんだろう
 それは人それぞれの、雲、を思い描かせる



  好き、って言葉の受け取り方も人それぞれ違うはずで…




        なに考えてんだ…




             帰りたい…





  濡れた視線の意味するものが なんなのかも

                よく判らない…





         判りたくもない





  取り繕うことばかりが頭をめぐる



  割れた空気を取り繕うことだけ







     とりあえず




     好きだから って言っていた