遥か彼方【詩集3】
ある出会い
洋楽?何それ!何言ってるのか分かんない歌なんか聞く気しないし
……なんて言っていた昔が今となっては懐かしい
人生に絶望してて
何ごとにも興味が持てなくて、
自分を取り巻く現実から目を逸らし、
良いものも
悪いものも
何も見ようとしなかったあの頃
30年も前の音楽と思えないほどに
今も色あせぬ
美しい響きが
心地よく胸を捉える
あの時も彼らはそこにいて
彼らの音楽はそこにあったのに
私の目も心も閉じられていて
何も見ていず、何も聴いていなかった
良いものを良いと認めるのに遅すぎることはない
何かを新たに知るのに遅すぎることはない
出会いにも時があり
意味がある
今ようやく期が熟し、
出会いの時が訪れた
だから
これまでの人生の時間は決して無駄ではなかった
出会いには時があり
そして意味がある
その時を迎えるために
必要な時間を今まで歩いてきた
再びその時を迎える為に
これからもまた歩いていく