遥か彼方【詩集3】
この足で
それはいつからだったのだろう
いつ起こったのか
なぜそうなったのか
誰にも分からない
分かっているただ一つのことは
もう……元には戻れないってこと
あの頃は
無邪気な天使のように
ふたり手を取り
暖かな光の下でたわむれた
生きていることに何の疑問も持たず
今だけを信じ
今だけを感じ
ゆるやかに取り巻く世界を愛した
幸せだったあの頃
無邪気だったあの日
何も知らなかった時には
もう戻れない
それでも時は止まらない
生きるのをやめることはできない
何も知らずに
生きる時は終わった
知るべきを知り
知らざるべきを知り
語るべきを知り
語らざるべきを知り
全てをこの身に刻みつけ
全てをこの身に背負い
もう一度この足で大地を踏みしめ
歩き始める
私はこの世の全てを愛し
この世の全てを受け入れる者
穏やかで甘やかな時は終わった
今度は大切なものを守るために
この足で再び歩き出す