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瑠璃 深月
瑠璃 深月
novelistID. 41971
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夜の木

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すっかり大樹が心を開いて、夜空に再び輝く星と月、そして夜光雲が戻りました。
 地球と月の女神様は喜んで、僕の願い事を叶えてくれるといいました。
 僕は、故郷に帰っても、お父さんもお母さんもいない、孤独な子供でした。
 でも、僕はもう孤独ではありません。
 僕は、大樹を見上げました。この数日間に大樹といろいろな話をして、いろいろなことを知りました。できれば僕は、僕が僕としての役目を終えるまでずっと、この大樹と一緒にいたいと思いました。

 地球は、僕のその願いを聞いてくれました。

 ねえ、だからね。
 夜空を見上げるときは、夜光雲の隙間に、ぼくがいるかもしれないよ。
 だから、ぜひ、時間が許すまで見上げてみて。
 遠い空で、今も僕は大樹と一緒に君たちを、見守っているからね。
作品名:夜の木 作家名:瑠璃 深月