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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第十五話 最終回

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「あなたの心が十分成長していないから」

「そんなことないよ。夢の中ではもうまどかは三人の子供と一人の孫がいたのよ。その時の事は鮮明に記憶しているし今もしっかりと心の中にあるの。大丈夫よ、まどかは大人だから」

「信じることなんか出来ないの・・・まどかはお母さんの子供だから良く解るの。社会勉強をこれからして一人前の大人になってから考えて欲しいわ」

「思いつきで話しているんじゃないのよ。まどかを信じて・・・せめて藤次郎さんとの交際は認めて欲しい。お父さんに話しておいてね、まどかの気持ちを。これ以上は言うことないから、学校は必ず卒業する」

「まどか・・・どうしちゃったの、普通の子だったのに・・・」

母親は寂しそうな目でそう語った。
話を聞いて父親は黙ったままだった。まどかの決心が強いことを知って両親は交際を許す方向に傾いていた。

佐伯とまどかは毎週のように逢ってお互いの気持ちを確かめ合っていた。
季節はあっという間に過ぎてまどかの成人式を終えたその日、佐伯はプロポーズをした。仕事を見つけて収入の面でも自信が付いたからだ。

両親はもう反対することもなく二人を祝福した。

最初に生まれた女の子は藤子と名づけられた。両親の実家の傍に住んでいたまどかは、近くを流れる境川の堤防に藤子を連れて行った。

「藤子、この川は海に流れているの。その向こうには違う国があるのよ。大きくなったらお父さんと一緒に訪ねましょうね」

そう囁くまどかは、今度は必ず実現できると・・・信じていた。


終わり。