詩~黒~
最後に残るもの
屋上に寝そべって
両手を空に掲げてみる
指の間から漏れる
日の光に…目が一瞬くらんで……
堅く目を閉じた………
真っ暗になった目の奥で……
両手の残像が残る………
そのまま瞳を閉じたまま
一本一本の指が無くなって………
全ての指が黒に溶けた
ゆっくりと目を開けると
さっきと同じ所に両の手……
口から安堵のため息が出て
その手で両目を覆った
視界から見える全てのものが遮られ
全てを失った気がした
自笑して……両手を広げた……
それでも目を開ける勇気が無くて………
もし……
目を開いて全てが無くなっていたら………
広い世界で……
最後にたった一人残されてしまうくらいなら………
世界の終わりと同時に…………