自作お題小説『色』
金色のピンキーリング
ずっと…ずっと気になってるんだ…
その指に光る指輪が…
金色に光るその小さなリングは…
紛れも無く他の誰かと対になっている物でしょう?
俺の知らない所で…
俺の知らない誰かと…
一緒に買った物でしょう?
「可愛いでしょ?」
君はその指輪をちらつかせながら笑う。
「あの子とお揃いで買ったの。」
君の言うあの子は…
俺も知ってるあの娘だったけど…
それが本当かなんて、君にしか判らないでしょう?
「ピンキーリングって言ってね、小指にする指輪なんだよ。」
その笑顔は誰を思ってるの?
僕は…
その金色に憧れて…
その金色を欲して…
その金色に嫉妬した
僕には…
その金色が眩し過ぎて…
その金色が遠過ぎて…
その金色が重過ぎた…
終わり 08/07/17