小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

（バカ）バーカ


「たまには二人で何所かに行こうか？」

俺の言葉に君は、一瞬だけこちらを見て
『そんな気分じゃない』と言う。


「豪華なレストランで食事でもしようか？」

俺の言葉に君は、大きくため息をついて
『ガラにも無いこと…』と言う。


「少しだけこうしていていい？」

隣ピタリとくっついた俺に君は
『うっとおしい』と言う。


だけど…
俺の体を突き飛ばさないのは…
君から離れて行こうとしないのは…

それはもう『愛』だよね？
そこに『愛』はあるんだよね？


「ねぇ…？」

俺の呼びかけに君は、こちらを振り返る事なく
『ん？』と短く返事をする。


「大好きだよ。」

俺の言葉に君は、一瞬呆気に取られて
『バーカ』と言う。


俺は気付いてるよ…

その言葉の中に『愛』がある事を…
その言葉の内に『私も』が含まれている事を…

俺にはちゃんと伝わってるから…

君の言葉…
本当の言葉…

しっかり届いているから…


終わり